悲しきラジオ

エアチェック・・・この言葉にピンと来る1〜20代なんて果たしているのだろうか?
私が音楽を聴きはじめた約20年前、レンタルレコード屋さんも少なかったその当時、音楽を聴くためにはレコードを買うか、友人より借りる、またはカセットテープに録音してもらう、そしてラジオを(主にFM)エアチェックすることくらいだった。そうエアチェックとはラジオより曲をテープに録音して、それを聴き楽しむということ(正確にはわからんが)なのだ。その頃の私は、当時はまだたくさん発売されていたFM雑誌にアンダーラインを引いてチェックして、タイマー録音なんてないのでラジオの前でスタンバイ、そして録音し、マイベストテープなるものを作成し楽しんでいた。しかし、悲しいかな当時新潟にはFM局はNHK-FMの一局のみ、その中から数少ないロック、ポップスが放送される番組をチェックしていたのだけれど、FM雑誌にはNHKの隣にFM東京の番組表が決まって掲載されていて、それを見ながら当時の私は「おぉ!こんな曲が!」とNHKじゃかからないような曲の数々を羨ましく思っていた。そんな私も運良く?東京の三流大学に進学することになり、と同時に憧れの「人生に二度と無い四年間の休暇」?に東京で一人暮らしをすることになった。それは同時に私のラジオに対する環境も劇的に素晴らしく変化するはずと思われた。
そして、東京に住むようになって、FM東京もチェックして、ラジオの前でスタンバイしていたのだがなかなか曲が始まらず、流れ出したと思ったらすぐフェイドアウト。「???」その時はそれほど深く考えず、そのうちに大学生活やバイト、バンド仲間に音楽を録音してもらったりするなどの生活?で、次第にラジオから離れていった。そんな私が次にラジオに接するようになるのが、大学を卒業して新潟に戻って就職してからだった。その頃には我が新潟にも「FM新潟」なるものが出来ていて、さすがにエアチェックはしなくなったが、それでも期待に胸躍らせて?ラジオのスイッチを入れた。しかし、待てども待てどもDJではなくパーソナリティーなどという輩のお喋りばかりで曲がかからない。その時ようやくぼんくらな私は気付いたのだった。あの時、東京でもそうだった・・・そう、そのFMは昔チェックしまっくたNHK-FMとは違い、曲より「ほとんどお喋り!」で、ようやく曲が流れたと思ったら、町やテレビから頻繁にかかるような当たり前のヒット曲が、しかもフェイドアウトで・・・
別に現在のFMほとんどが(中には素敵な番組もあるにはあるのだろうが)それならそれでいいだろう、私は聴かないが・・・でも、当時の私もそうだったが、それ以前の世代の人達も、人生におけるよき友との出会い同様に、確実にあっただろう素敵な音楽との出会いがそこに、そうラジオに・・・
佐野元春氏も歌っていました。お喋りはもういいから、いかしたナンバーをもっと!と・・・そういや素敵な音楽同様、氏との出会いもラジオが最初でした・・・♪モトハルレイディオショ〜♪・・・郷愁

もどる

inserted by FC2 system