激闘!我が兄弟のW杯

気が付けば、あと数週間にまで迫っていた。そう、ドイツW杯へ向けてのアジア最終予選の緒戦まで。ご存じの通り、その緒戦の相手は何かと話題の北朝鮮。そして、アジア最強の一つイランに、日本が苦手とする中東勢の中で躍進著しいバーレーン。その4か国によるホーム&アウェーの対戦で上位2各国が出場の切符を勝ち取り、3位は別組の3位と戦い、勝てばプレーオフにまわる。またあの我が国のサッカーファンにとって、胃が痛い思いのする、また喜びこのうえない試合の数々が始まる・・・今回はどんな物語が待ち受けているのか・・・前回は自国開催故予選免除、おまけに我がトルシエジャパンが決勝トーナメントまで進み、自国開催の面目躍如を果たしてくれた。そのおかげでか?忘れかけていたあの厳しい最終予選・・・しかし、予選免除の前回の大会でも、我が兄弟にとってはなかなか厳しい戦い?と歓喜と興奮があった。


2002年の日韓W杯が我が新潟でも開催されることが決まり、「こりゃあ最高!生でW杯が見れるなんて!」と喜んでいた我が兄弟、でもその開催の前年末にあった観戦チケットの1次販売分、これを(本人かどうかの確認が入場時にあるとかの噂により)バカ正直に1試合分だけ申し込み、結果はずれて・・・その後「ちぇっ」とくさっていて、なんと2次販売に応募し忘れてしまった!それでも、やはりサッカーが好きなくせに、下手すりゃ最初で最後の?生W杯観戦。これを見なくて「W杯?あぁテレビで見たよ」とかじゃあうまくないし面白くないしサッカー好きと言えるのか?やっぱり生で見たい!それで悪戦苦闘なんとか無事3次販売で6/1日本での開幕ゲーム、アイルランド対カメルーンのチケットをゲット!いやっほ〜・・・しかし、悲しみが同時に二つ兄弟を襲う・・・祖父の葬儀がちょうどその日になり観戦は不可能に・・・それでも知人にチケットを急遽譲れたのは不幸中の幸いだったのか?そんなこんなでついに始まってしまった日韓W杯。また今回もテレビ観戦かよ・・・車で数十分のところで試合をしているというのに・・・ずぅ〜んと深く沈んでいたテンションがテレビで観戦をしているとやっぱり盛り上がって来る。「諦めちゃいけない!」と、力強く思う!しかし、新潟開催はあと残り2試合、うち1試合は平日のデーゲームなので、もう1試合の決勝トーナメント1回戦の人気カード!これにのぞみを託すことにした。

そのチケットゲットの方法として、電話じゃらちがあかないため、当時ネット環境にあった弟がインターネットによる購入のチャンスを待っていた。しかし、まだ予選途中で決勝トーナメントの対戦は決まっていないためか、発売は停止中という状態がしばらく続いていた。そのまま対戦日が刻々と近付いてきて、焦りがつのるなか、対戦相手の片方がデンマークに決まったその夜AM3時頃に、ふと目覚めた弟がパソコンを立ち上げネットに接続。すると!それまで停止中だった海外向け分チケットの停止が解除に!非常に繋がりにくい状態のネット販売なのに「多分買えたかな?」という状態になり、翌日新潟市内にある発券所に行き、なんとか無事チケットをゲット!その直後弟より購入出来たことと、同時に対戦相手のもう片方がイングランドに決まったという喜びを同時に二つ、興奮してなかば何を言っているか分かりにくい状態の電話で受け取った。

試合当日は新潟市内に駐車後、ベッカム率いる?イングランド代表の宿泊しているホテルに群がる黒山の人だかりを横目に、シャトルバスの出る新潟駅に向かった。その道すがら、ユニフォームやマフラー等のグッズを道端で売る外人さんよりイングランド代表のマフラーを購入、それによりようやくサッカー観戦者らしくなった。そして、交通規制とじゃんじゃんと来るシャトルバスにより、あっと言う間に試合会場の新潟スタジアム、通称ビッグスワンに到着した。到着後、事前に買っておいたおにぎりはまだよかったけど、ビッグスワンおなじみの高くおいしくない食べ物にがっかり。その後入場の為に列に並び、ボディチェック後ようやく入場となった。

入場したのはいいが、さすがにまだ時間がたっぷり。うろうろしたり、写真を撮ったり、懲りずにまた不味い食べ物を食べたり・・・そうこうしているうちにサポーターも集まり始め、特にイングランドサポーターの数が多く、地元から持って来たと思しきフラッグを貼りまくったりしていると、いきなり回りから「ウオォ〜!」と響きわたる歓声が!そう、ウォームアップのためピッチ上に現れたベッカムとイングランド代表に向けての大歓声で、もちろん私もズーム最大にしてのなんちゃってカメラマン?に早変わり?そして、ウォームアップ終了後、スタジアム内の雰囲気もだんだんと独特の緊張感に包まれてきて、まず、両チームのメンバー紹介!もちろんベッカム、オーウェンの時の歓声の凄さは言うまでもないが、その後、両チーム登場、国歌斉唱、大歓声鳴り止まぬ中、ついにキックオフ!となった。

・・・で、試合の方は、ご存知の通り3対0でイングランド代表の完勝。ベッカムのアシストにオーウェンのゴールなどもあり、試合中はまるでイングランドのホーム状態のビッグスワン。観戦中からすでに大騒ぎのイングランドサポーター(酔っ払い?)を写真に撮ったり、一緒に撮ったり!我が兄弟も大興奮のW杯というこの「祭り!」、大満足だったのは言うまでもない。

試合終了後、ものすごい人混みにうんざりするのも束の間、またじゃんじゃんとシャトルバスが来るため以外と早く駅に到着。ニュースになるくらいの大騒ぎで大盛り上がりの駅前を横目に、駐車場に向かうと、またも何やら人混みが・・・その沿道の人混みはイングランド代表、というか「ベッカム様!」の乗るバスを待っているもようだった。最初同様横目で通り過ぎようとしたけど、端にいた警官らしき輩が、無線機みたいなもので、「あと数分・・・」とか言っているのが聞こえたのですこし待っていると、回りの歓声とともに来ました!ベッカムたちを乗せたバスが!ぶぉ〜ん・・・「あっ!」ラッキーなことにこちら側の席に座っていてくれたベッカム!その距離推定2、3メートル!残念ながらフィルム切れのため写真に納めることはできなかったけど、ベッカムとの最接近?の瞬間でした。そして、無事帰宅し、我が兄弟の初の生W杯観戦は無事終了(大会はまだ続いていたが)したのだった。


次のW杯は欧州ドイツでの大会のため、観戦はなかなか難しいと思うが、テレビ観戦でも十二分にW杯の感動と興奮を楽しめると思う。しかし、それには98年のフランス大会のように厳しい予選を勝ち抜き、我が国も出場してくれなくては・・・実際94年の米国大会は面白かったが、やはり「この舞台に日本がいたらなぁ・・・」と思い、そうすると「なんであの時・・・」と予選の悔しさがよみがえってくるという、複雑な思いの観戦だったから。ぜひ、我が国代表の選手たちには、「国民のために」とか「サポーターをドイツへ連れていくため」とかいう、聞き飽きた常套句じゃなくて、「自分のために!」頑張って出場を決め、我々を楽しませて欲しいものだ。4年に1回のこの大会。選手生命のなかでも、そう何回もないチャンスだろうしね。さぁ!最終予選はもうすぐだ・・・ドキドキ。



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