アダナコミック

小学3〜4年の頃、マンガが大好きだった僕は読むだけでは飽き足らず、稚拙で未熟な自作マンガを友達数人と書いたりしていた。
それは藁半紙を折り畳んで切り、そこに自作のマンガを数ページに渡り描き、ホチキスで止めて持ち寄り、最後に一番マンガのうまいI君が表紙をつけて完成させると言うものだった。
最初は3人で始まった。
前記した一番絵がうまく話も面白いマンガを描くI君。
豪快なギャグマンガを描くO君(トム・ソーヤー的冒険?に登場済)
そして、パクリや人まねが多く突出した部分のなかった私。
各々家で書いたものをI君の家に持ち寄り、読みながらまとめながら楽しみながら最後の編集作業を行い完成させた、この本。
その名も「アダナコミック」という・・・朧な記憶によるとその由来は、当時あだ名で呼び合っていた僕らや友達が主な登場人物だったためと記憶している。
その熱病のような楽しい作業は数巻におよび進み、途中新メンバーが2名加わりさらにパワーアップ・・・するはずが、その2名の参加を期にテンションが下がったのか?それとも他に夢中になるものが登場したのか、今となっては思い出せないが、とにかく5人体制での「アダナコミック」は1冊で終わったものと記憶している。
と同時にそれが我等の愛しい「アダナコミック」の最終巻になったのだ。

別にマンガ好きの子供ならよく有るような話だし、特にどうってことはないだろう。でも、最近ふと思ったんだけれど、あの全数巻に及ぶ「アダナコミック」は今どうなっているのだろう・・・
最終編集作業者であったI君が当時は保管していたので、多分彼が消息を知っているものと思われるけど・・・まぁ、25年以上も前のものなんで、さすがに現存していなくて当然というものだろう。
しかし、万が一、今も所有していたら・・・そして偶然、20年以上ぶりにI君と再会などしたとして、話が「アダナコミック」になり、I君がこんなことを言ったなんて考えると、ぞ〜っとする・・・「アダナコミック?あぁ、まだあるよ。今度持って来るよ。」

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