初めての牛丼
以前述べたように、大学生になって上京した。
と言っても最初の2年間は東京じゃなく、神奈川県の相模原市だった。
小田急線の相模大野駅から15分ほど歩いたところにある学生向けの安アパート。
4畳半に押し入れとキッチンのみ。
トイレは共同、風呂はなし。
お金はなかったし、たいしていいこともなかったけど、そこそこ楽しくだらだらと過ごしたそこが僕の城だった。
そんなアパートに着いた初日にしたことといえば、今もはっきりと覚えているけど、近所の散策だった。
荷物と一緒に田舎から持ち込んだ中古のおんぼろ自転車であてもなく適当に、晴れて眩しい相模大野近辺を、駅の方に、また逆の方へ、西へ東へ。
そんな散策途中に、国道沿いにあの有名牛丼チェーン店の「吉野家」があるのを発見した。
さすがに今じゃ「吉野家」はもちろん、他にもいろんな牛丼チェーン店がこちらにもあるが、
20数年前の当時はそんなものはなく、「吉野家」なんてキン肉マンが食べていたのをマンガで見ていたくらいのそんな状況。
だから、興奮したね。そして当然即入店、取りあえず牛丼の並を注文。
暫し待つと目の前に初めて見る「吉野家」の牛丼が、興奮冷めやらぬまま、期待に胸膨らませながら食べた・・・
美味かった・・・
これが期待を裏切らない、いや期待以上の美味さだった・・・
18才にして初めて食べた牛丼の感動はもの凄く、後日再度来店して今度は大盛りを注文。
しかし、今も昔も、いや昔はさらに大飯食らいだったから、大盛りで満足する訳なく、
大盛り食べたのに、腹へったなぁ、なんて宣うしまつ。
そんな何回目かの「吉野家」で、ひらめいた!
っていうと大げさだけど、その時はホントにこれはいいぞ!なんて思った、そのひらめきは・・・並盛りを2杯食べるってこと。
これなら満足出来るだろう。
と思い、早速並盛りを注文、当然即完食。
そのまま再度並盛りを注文、それを食べながら思った。
やっぱ美味いなぁ、そしてこの2杯注文大作戦、もっとはやく気付けば・・・ん?
その2杯目の途中で異変が僕を襲った。
味に飽きたのか?限界にきたのか?わからないけど、なんと予想以上に早く腹がいっぱいになってきたのだ!
まぢかよ、あと1/3くらいなのに・・・
それでもがんばってなんとか完食、しかし数分前までいいと思ったこの作戦について、
やっぱいくら美味いっていっても、ほどほどの量、っていうかちょっと物足りないくらいがいいんだなと、
勉強になった18才の出来事だった。
そんな、勉強になった印象深い出来事があったにも関わらず、
大学を出て、地元に帰り数年経ったあるとき、同じような失敗を繰り返した。
その食べ物はこれ・・・
これも普通盛り一つはもちろん、大盛りでも物足りなくてね・・・でも普通盛り二つはやっぱり厳しかったんです。
ああ、牛丼の時に学んだのに・・・ダメな僕です♪
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