困った軽自動車

先月、急な寒波のせいで、悪天候になったここ新潟。

前夜には台風なみの暴風が吹きまくり、風が止んだかと思えば、深々と降り積もる雪、

そのせいで、朝には一面の銀世界・・・なんていうと聞こえはいいけど、こちらに住む人にとっては、ただの灰色の冷たい邪魔者、そんな存在。

それでも、その日は運良く日曜日。

悪路と悪天候の中でも、部屋に閉じこもっていたら、

貴重な休日を無為に過ごすことになってしまうので、友人と出かけることにした。

向かう先は長岡市。

目当ては気になるラーメン屋さん。

実際、ここ新潟はたいした娯楽がないので、休日の昼時に人気の、お気に入りのラーメン屋に赴く人は多い。

となると、そのあとはたいしたところに行けないから、その昼時のラーメン屋さんはかなり休日のメインに近いものになる、

故に、他のものと違い、ラーメンくらいはそこそこのレベルになっていく・・・そんな風に思うが、いかがだろう。

そんなラーメン屋さんで、美味しいラーメンを堪能した後のこと。

駐車場から車を出そうと出口に向かうと、そこを塞ぐようなかたちで、1台の軽自動車が止まっていた。

「なんだ?ここに入るのか?それとも誰か迎えに来たか、送り届けに来たのか?」

なんて思うも、どうやらその車、その場所から動けなくなっているもよう・・・

運転手らしき男がスコップを持って、車の下を掘ったり、運転席に乗り込み、動かそうと試みたり・・・

見兼ねてラーメン店店主も、スコップを持って手伝うも状況は変わらず・・・

「なんだよなぁ・・・」と思いながらも、その車が動かなきゃ自分達もそこから出られない、

しかたないので自分も手伝いにいった。

車の前方下部を見るとどうやら圧雪の上に乗り上げたようで、

そのせいで前両輪が浮いている、そんな感じだった。

運転手に近付いた自分は、こういう雪国のありがちなトラブルの時のように、

「(車を)押しましょうか?」と聞いた。

するとその年若い、助手席に子供を乗せた運転手は「いやぁ、すみません、でも前輪が浮いちゃって・・・」

確かにそうだよな・・・こういう押してもダメなような場合はどうすればいいのだろう・・・

なんて思った時、その運転手が発した台詞を聞いた瞬間、残念ながら手伝う気力が一気に失われた。

それでも、それからラーメン屋から出て来た他のお客さんや、通りすがりの人たちと一緒に、

手伝う気力は失せたけど、自分も雪と消雪パイプの水にまみれながら手伝い、なんとか車は脱出することが出来た。

やれやれと、自分達も、さっさとその駐車場を後にした。

せっかくの休日の、美味しいラーメンを食べたいい気分が損なわれた、そんな感じ。

いや、通常のこういうことだったら、雪と消雪パイプの水にまみれた云々も関係なく、それほどいい気分が損なわれることはなかっただろう。

やはりそれはその運転手が発した一言、それが決めてなんだと思う。

「いやぁ、この車シャコタンなんで。」

あれくらいの積雪があった、しかもなかなか雪深い長岡市に於いて、シャコタンって・・・ふぅ





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