KOOBAS 〜クーバス

当初、The Kubasの名で活動を続けていたKoobas(クーバス)は62年リヴァプールで結成された4人組。
翌63年にはあのスタークラブに出演したり65年には映画「マージー河のフェリーボート」に出演したんだか、しそこねたんだか?の彼等だったが、メンバー二人を入れ替えた後ブライアン・エプスタインの目に止まり無事2月にシングル「アイ・ラヴ・ハー」でデビュー。
その後数枚のシングルをリリースしたり、ビートルズのツアーの前座や他のビッグ・アーティストのツアー等に同行したりしていたが、それらのチャンスをうまい具合にいかせず、ついにこのファースト・アルバムをリリース後解散してしまうのだった。
下画像は英BAM-CARUSOよりの再発盤「BARRICADES」。

  

なぜかタイトル、ジャケットがオリジナルとは違うものにされてしまったこの再発盤も現在はあまり見かけなくなりました。
内容は英サイケデリアならではの素晴らしいもの。
この時代ならではのメロトロンなどを含んだ意欲的なサウンド、レベルの高い楽曲、エンジニアがビートルズ関連でおなじみのジェフ・エメリックで録音がアビー・ロード・スタジオ、そして後にヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター、ジューシー・ルーシーなどで活躍するキース・エリスが加入したからか?のしっかりした演奏。
しいて不満な部分を言うなら、オリジナル盤ジャケットのピンナップ的なアートワークが平凡だったり、演奏の手堅さよりポップなメロディがもっともっと満載だったら、なんて思ったりもするけど、実のところそれよりも成功しなかった理由は・・・当時成功できなかったサイケポップ作品をリリースした多くのグループ(これから紹介していきたい多くのグループ同様)もそうなのだが、リリース時期の遅さ!これにつきると思う。
67年6月ザ・ビートルズの『SGT・ペパーズ〜』のリリースによりピークを迎えるサイケデリック・エラ。
やはり67〜68年の間のあの濃密な期間にリリースしていないと、セールス的に成功はなかなか難しかったんじゃないのだろうか?
リリースできても成功できなかったグループも多く、おまけにこの作品のリリースは69年なものだし。

売れなかったため、他のレア盤同様(いや、それ以上に!?)この作品のオリジナル盤はかなりの貴重盤のようです・・・確かに西新宿の壁面、オークションでも見たことないなぁ・・・

CDでもボーナストラックを多く収録したものがリリースされたりしているが、65年からの音源を網羅した決定的なものはまだ出ていません。
下はボーナストラックとして4枚目からラストのシングルまでの楽曲8曲を収録した、輸入盤に帯と解説をつけたVIVIDよりの国内盤。


収録のシングル楽曲は素晴らしいものが多いので気になる方はぜひ!そのなかで4枚目のB面曲「Face」はモッズ、フリークビート好き、いやならずとも必聴のビートの効いたナンバー!
しかし、パイ・レーベルからの2、3枚目のシングル曲はしかたがないとしても、デビューシングルは入れて欲しかったなぁ・・・・・・Complete Koobasなるもの?が、しかも紙ジャケでColombiaのロゴ付きレーベルで復刻されるのを、心待ちにしているのですが、やっぱ無理でしょうかね?

多くの成功しなかったサイケポップ作品のひとつであるこの作品。
上記みたいにわがままを言わなきゃ先に述べたCD等で十分に楽しめると思いますので機会があったらいかがでしょうか?

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