まずいラーメン屋
ある日のお昼時、ラーメンでも食べようということになった。
あそこの店にしようか?いやそこの店にしようか?といろいろ考えたがなかなかいいところは思いつかない。
本などに紹介される人気店にしようか、とも思うも、ああいう人気店は休日の昼時にはかなりの行列が出来ているに違いない。
かといって誰もまったくいないお店は不安がつのる。
う〜ん、どうしようか?
と思っていたところ、通りすがりに新しい店を発見した。
しかも客の入りほどほどな今風の作りのお店。
こりゃあ、いいぞ!と早速入店した。
店内はホント、今風のお店って感じで、大きい木材のボードに墨で書きなぐったようなお品書きが飾ってあり、小さめの独特の丼に入ったラーメン、そんな感じのお店。
早速注文し、暫し待って、来たラーメンを食した。
味はいたって普通、可もなく不可もなくって感じ。
味に厳しい人?ならたいしたことないって言うかも、そんな感じの味だった。
でも、その店はそんな外観や味以外のことで、僕をそれ以来入る気にさせないのだ。
それは、そこでラーメンを食べている時に起こった。
なにやら厨房の方から、店員同士の声が聞こえてくる。
よく聞くと、いやよく聞かなくてもその声は店内に聞こえて来た。
それは年若そうな店長らしき人物が年配の女性店員を叱っている声だった。
ただでさえ、飯がまずくなるような声なのに、その声はさらにいやなイメージを抱かせた。
それは、どう聞いても自分の母親(くらいの年齢の女性)が若い奴に怒鳴られている感じにしか聞こえないのだ。
ただでさえ、飯のまずくなるその声が、悪いことにそんな風にイメージさせる。
それ以来、その店には行ってません。いや、行こうとは微塵も思いません。
当然ですよね?
「すみません」と言うおばちゃんの声が響きわたる店・・・
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