俺の勝ち・・・だろ?

すでに述べたかもしれないけど、

以前勤めていた会社で、カタログ作りの作業に従事していたことがあった。

そんなに専門的な知識や経験はなかったから、

主に携わったのは雑用的な作業がほとんどだった。

それでもいろいろ面倒で大変な作業が多かったけど、

その中でも特に印象深かった作業の一つに文字校正があった。

簡単に言うと、カタログに載っている文字に間違いがないか、などの確認作業で、

今はその手の作業はどのようにやるのかわからないけど、

20年近く前の当時、先輩か上司に教わってやっていた方法は読み合わせによる方法で、

1人が原稿を読み、1人が校正を見ながらチェックしていくという、そんな方法。

2人がかりだから、双方の手の空いている時に、片方が読み片方がチェック、

そんな感じで、同僚と作業を続けていた。特に問題なく・・・

そんな作業を続けていたある時、隣の部署のク〇バ〇野郎がこんなことを言い出した。

「2人でやるなんて無駄じゃねぇの?」

そのタチの悪い〇ソ〇カ野郎はさらに、

「おめぇらが2人でやっていることなんて、

俺は1人で、しかも同じ時間、いやそれ以内で出来るぜ!」

なんて言わんばかりに宣い、おまけにタチの悪いことにそんなことを実際上司に進言したりした。

なんだかなぁ・・・よっぽど俺たち、いや俺が嫌いなんだろうな・・・

なんて思い、その時は気にせずにいた。

それから暫く経って、その自分と同僚でやっていたカタログの文字校正の作業が隣の部署、

そう、そのク〇バ〇野郎の部署に移った。

となると上記したようなことを宣っていたそのク〇バ〇野郎が、

案の定その文字校正の作業を1人でやり始めた。

ちぇ、まぁ別にいいけど・・・なんてことはなく、

正直まるで自分達の作業が倍の時間かかっていたように、

そんな見せつけられているように感じられ、なかなか面白くなく、

それでもク〇バ〇野郎がらみだから、仕方なくまた気にせずにいた。

それから暫く経って、カタログが出来た頃、

その隣の部署のク〇バ〇野郎の後輩であるYが、ある分厚い紙の束を持ちながら社内を駆け回っていた。

「どうした? Y」と尋ねるとYはこう言った。

「どうしたもこうしたもないですよ。

出来上がったカタログ、誤植だらけでね。

これからこの訂正シールをあれだけのカタログに貼らなきゃならないんですから!」

それを聞いた時、正直こう思った、

「ザマーミロ!ク〇バ〇野郎」

と同時に、確かに人員は倍かかるのかもしれないけど、

やはり当初のやり方の方が良かったじゃないか!と。

それでもそのク〇バ〇野郎は次のカタログの時も、同じように1人で文字校正を試みたようだったが、

やはり同様に訂正シールのお世話になっていた。

結局その次のカタログ作りの時は、自分たちがやっていた方法同様、

ク〇バ〇野郎も後輩と2人で読みあわせて校正していた。

その作業を見ながら、何故か俺の心にこんな台詞が浮かんだ。

「俺の勝ちだろ!ク〇バ〇野郎!」って・・・

もちろん俺の勝ちでもないんだけど♪




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