俺のドラム歴

以前の職場でのこと。

勤めて何年も経ったある時、

歳若い2人の社員が入社してきた。

歳が10歳以上も自分と離れているその彼等と、

暫くすると仲良く話せるようになっていた。

そんな彼等と話していたある時、

その若者2人も自分も互いにロック・キッズで、楽器を手にすることが判明した。

そこで自分含めた3人でスタジオに入ってみようか?

ってことになった。

しかし、それにはお互いの担当パートという問題があった。

彼らは2人ともギタリスト、

自分も所有しているのはギターとベース、そしてドラム・マシンくらい・・・

これじゃあ俺がベースを担当しても、バンド編成にならないな、

ドラム・マシンをプログラムするのも、スタジオに持ち込むのもなんかちょっと違うと思うし・・・

じゃあ、やっぱりやめとくか?なんて意見も出始めた時、

学生時代、バンド仲間から8ビートの叩き方をちょっと教えてもらったことを思い出し、

じゃあ、俺がドラムをするよ、なんて言ってしまった。

それからが大変で、初めてスタジオに入るから、

所謂ロック・クラシック的な楽曲のセッションだと思ったら、

彼等は所謂メロコア的なものが大好きで、自分がどう反対しても2対1という図式は変わらないから、

結局彼等の意見通りにことは進み、某メロコア・バンドのテープに合わせて、

楽器店で買った一番安いドラム・スティックを使って、

ドラムを叩く(イメージ)トレーニングをする日々が、スタジオ入りする日まで続いた。

そして当日、スタジオでそのセッションを、楽しそうな顔で演奏する彼等の中で、

俺は必死の形相でドラムと格闘し続けた。

その2時間のスタジオ練習後、久しぶりの、楽しいはずのバンド練習にも関わらず、

俺は次のスタジオ入りの予定を立てている彼等に、苦渋の決断を告げることとなった。

それはその3人組のバンドからの脱退であった。

結局俺のドラム歴はその2時間で終わりを告げたのであった。

それ以来、以前よりドラム演奏者に敬意を表するような気持ちとなった、

そんな複雑な思いも残る2時間だったけど・・・

それでもまた機会があったら、スタジオに入りたいって思うんだけどね♪






もちろんドラム以外でね♪


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