ザ・ソロウズ 〜THE SORROWS (UK)

きっかけは一枚のコンピ盤CDだった。
それは、パイレーベルの音源から集められたモッズ好みの作品集で、その中にザ・ソロウズ(The Sorrows)の「Take A Heart」も収録されていた。
こりゃあカッコイイ!と他の素敵なナンバー同様、気になるグループになったのだが、
オリジナルアナログ盤は激レアらしいし、ちゃんとしたアナログ再発盤状況なんてよくわからなかったので、
そのうちCDに出逢えばいいかなぁ〜、なんて、いつものように適当に考えていた。

そんなあるとき、オークションで彼等のファースト・アルバムのアナログ日本盤を安値でゲットすることが出来た。
下がそれで、御覧のような日本盤独自のジャケットデザインの酷いこと・・・これだったら私が、いや誰がデザインしてもこれよりはましだろう!


しかし、オリジナル盤と同内容なこのファースト・アルバム、ジャケットデザインと違い内容は最高だった。
ソリッドなビートの効いたナンバーが全12曲。収録時間も30分強のコンパクトなアルバムはモッズ云々抜きにしても十二分に魅力的な作品だった。

そんなザ・ソロウズは英国はコベントリー出身の5人組。
64年末にパイ傘下のピカデリー・レーベルよりシングル「I Don't Wanna Be Free」でデビュー。
翌65年には「Baby」、最高位21位のヒットとなる「Take A Heart」、「You've Got What I Want」の3枚のシングルをリリース。
そして66年初頭にファースト・アルバム『TAKE A HEART』をリリースする。
同年には「Let The Live Live」、「Let Me In」の2枚のシングルもリリースするが、この頃から英国よりイタリアでの人気が高まり、活動も盛んになってくる。
イタリア語での「Take A Heart」と「Baby」のカップリングシングルをリリースしたりするなど・・・そんなある意味順調な活動状況時にヴォーカルのドン・ファードンが脱退するという事件がグループを襲う。
結局ドンは脱退後のちに改名し「Indian Reservation」の大ヒットやアルバムリリース等ソロとして成功している。
一方のザ・ソロウズの方は、ドン脱退後ピカデリーで最後のシングル「Pink Purple Yellow And Red」を67年にリリース。
活動のメインであるイタリアで『Old Song,New Song』を68年にリリースしたが、69年には残念ながら解散してしまうのだった。

下は『Old Song,New Song』と同内容のフランスEvaレーベルよりの再発盤『The Sorrows in Italy』。


内容はトラフィック、ファミリー、スモール・フェイセスなどのカヴァー曲、「Take A Heart」、「Baby」のイタリア語ヴァージョン等を含むもので、時代が時代だけにビートグループからの脱却をはかろうとしている興味深い内容となっている。ちなみに「Baby」のイタリア語版は演奏が違うもの。

現在ではザ・ソロウズの音源をほとんど?含んだ便利なCDも発売されて(廃盤かも?)いて、さすがにもう購入しようかと思案していたら、さらに下のようなレコードを入手してしまいました。


これはオリジナルのファースト・アルバムとジャケットは同じ、内容は英国盤、日本盤の12曲にアルバム未収録のピカデリー時代のシングル曲を各面の最後に2曲づつ収録したもの。
裏面右下にIMPRIME INDUGRAF MADRID, S. A. ・ ALCORCON (MADRID)とあるのでおそらくスペインでの再発盤だと思われます。
これで、彼等の楽曲はほぼ網羅出来ましたので、前述したCDは(多分)購入しないと思われます・・・まぁ安く見つけたら別ですが・・・

こんな短い活動期間のザ・ソロウズ。最近ではフリーク・ビートなどと呼ばれたりしていますが、そんな呼び名云々は関係ないくらい素晴らしく、シャープ、ソリッド、そしてドン・ファードンのヴォーカル共々ワイルドなブリティッシュ・ビートが聴かれますので、興味のある方は御一聴のほどを!

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