さらば!ク○バ○野郎
もう随分昔の、ちょうどこの時期の出来事。
この車が無ければ何も出来ない、もっと極端に言えば、
コンビニはおろか、自販機に行くにも車を使うような、そんな田舎に住む自分にとって、
皆同様に自動車学校に行って、運転免許を取ることはもはや宿命とも思えるようなことだった。
だから、高校三年のこの寒い時期に、市内の自動車学校に仕方なく、しぶしぶ通うことになった。
しかし、車好きの高校生にとってはどちらかと言えば好ましいように感じるその免許取得も、
ただでさえ車に、とりわけ運転に興味の無い自分にとって、なんとも面倒なことだった。
まぁ、それでもその辺は想像していたけど、想像を超えて面倒、
というよりその免許取得に向けて辛かったのは、自分を担当することになった教官だった。
一言で言えば随分と酷いク○バ○野郎で、
まぁ、自分がさえない学生で、運転技術のセンスのカケラもないのを差し引いてもその態度は随分と酷く、
愛想が悪く、無口でいつもつまらなそうだし、たまに声を出せば常に怒っているような乱暴な口調だし、
ふんぞり返って、足がフロントガラス触れるくらいに投げ出しているし・・・
そんな感じだったから、今以上にへなちょこだった自分はもうホントに嫌で嫌で・・・
自分以外もさぞかしそいつには気分悪い思いをしているんだろう、って思い、
学校でその旨を話したら、クラスメイトの女子が一言「私もあの教官だけど、楽しい教官じゃない♪」っていう、
やはり想像以上のク○バ○野郎っぷりで・・・ふぅ
今だったら?そりゃそいつとその車学の偉いさんたちに説教確実、そんなくらいの輩で・・・
実際嫌で、途中数週間通うのを止めていた時期もあったくらい。
それでも、高い金払っているし、途中で止めるなんてことはありえないから、
仕方なくまた通い出したけど、状況はかわらないまま、辛い日々は続いた。
途中「みきわめ」だったかな?そんな教習の時に、別の教官になったことがあって、
その教官は友人Hの担当だったこともあってか、なんとも話が弾んで、
教官が違えば、随分と楽しいもんだなぁ、と思ったことを記憶している。
それでも我慢のかいあってか?そんな辛い日々に終わりを告げる時がやってきた。
まぁ、もう随分と昔のことだから、最終的にその教習含む諸々がどんな風に終わったのか忘れたけど、
今でも覚えているのがその諸々が終わって、車学から出た時、
自転車に乗った自分はその教官が乗った車とすれ違った。
瞬間的にその卒業した的なものを片手に持ち、そいつに向けて掲げた。
すると、その教官は、今まで見せたことのないような柔和な表情で軽く微笑んで、
免許所得!やったな!みたいな顔を見せた。
しかし、その彼の思いとは裏腹に、その手を掲げた俺の思いはこうだった。
「さらば!ク○バ○教官♪」
そう、免許所得より何より、そいつとおさらば出来たことが何より嬉しかったんです・・・♪
ホントに辛かったんです・・・当時は♪
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