混線!?

あれはいったいなんだったんだろう?
あの時、僕は大学2年生。来たるべきミック・ジャガーの初来日公演に向けて、まわりの友人含めて期待がどんどん盛り上がっていた時期だった。
もちろん欲を言えばストーンズでの来日が望ましいのだけど、当時はとりあえずミックのソロ公演でも現実するのが信じられないような案配、単純純粋に盛り上がっていた。
チケットゲットの手段としては当然、電話による今から見ても?残念な手段しかない状態だった。それでもストーンズが大好きでコピーバンドまでしていた我等はゲットすべく燃えていた。そう、いつもは人任せ?でぼ〜っとしている私も・・・そして、ついにその日がやってきた。
確か休日もしくは授業、バイトともにない晴れた日だったと記憶している。電話予約の受付は午前10時から。予約電話番号の記された紙と、一人暮らしで15年以上前の当時なのでもちろんダイヤル式の電話を前にして、私はその時を相模原市内のアパートで待っていた。
そして、我慢しきれなく午前10時数分前にダイヤルをまわす。すでに話し中・・・それからダイヤル式電話地獄が始まったのだ。リダイヤルなんてないので、ダイヤルをまわす、話し中の音(もしくは「現在大変込み合っている等の案内の声」)、切る、まわす、話し中、切る、まわす、プープー、ガチャ、ジーコ、プー、ガチャ・・・その間、まわしそこねて2回程、どこかの家へ間違い電話をしたりしたけど、ず〜っと話し中か混み合っているの繰り返し、そのうち1〜2時間経つと、指が痛くなり、ペンか鉛筆だったかでまわすようにしたけどもちろん状況は同じだった。
でも、なぜだか全然止める気にならず半ばやけになっている状態の中、その事件はおきた。
今までの話し中の発信音とも、混み合っている等の案内の声の時とも違う無音に近い状態。 "!"  ひょっとして繋がったのか!?と思い、「もっ、もしもし!」と言うと、同じように興奮気味の声が聞こえてきた。 ??? そしてそれは聞き覚えのある声だった。「S?」それは同じくストーンズ大好きでバンド仲間でもあるSの声に聞こえた。受話器の向こう側からも「へ?へどろん?」と聞こえ、その声の主はSと確信、お互いに「何やってるんだよっ!」と言い、電話を切り、再度電話地獄へ戻っていった。そして、数時間後ようやく私が聞いた案内はチケットは売り切れたとの旨だった。結局、午前10時から夕方にかけて電話をかけまくってこの結果、なんてこった!
しかし、後日朗報が入り、友人がチケットを余分にゲット出来、譲ってもらえた為に無事、私もSもミック・ジャガー初の来日公演を楽しむことが出来たのだった。
しかし、あれはいったいなんだったんだろう?
あの、Sに繋がった電話は?かけ間違え?電話の混線?まぁ、それが一番考えられる予想だけど・・・同じ番号をバカみたいにかけ続けていたので、全然番号の違う互いの家の番号にかけるとも思えないし・・・混線にしても、相模原市と埼玉在住のS、なんでいったい?
不思議なことはあるのものです。そして今大学時代の友人で数少ない連絡を(たまにメールで)取り合うのがそのSだったりするのです。
これもまた不思議な縁といえないでしょうか? なんてね。

もどる

inserted by FC2 system